運送業界70年ぶりの大改革!トラック運送業許可の5年更新制とは?

【重要】2025年6月から5年更新制が始まった。・・・わけではありません

2025年6月11日に公布された「トラック適正化二法」により、トラック運送業界は大きな転換点を迎えました。

これまで一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)の許可は、一度取得すれば更新不要でした。しかし、今回の法改正により、今後は5年ごとの更新制が導入されることになります。

さらに、適正原価制度の創設、多重下請け規制、白トラ規制強化など、運送会社の経営に大きな影響を与える改正が数多く盛り込まれています。2025年6月11日に公布された「トラック適正化二法」により、一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)の許可に5年更新制が導入されることが決まりました。

しかし、よくお問い合わせをいただくのですが・・・

2025年6月から更新申請が始まったわけではありません。

今回成立したのは「5年更新制を導入する法律」であり、実際の制度開始は公布から3年以内に施行される予定です。

そのため、現在許可を受けている運送会社が直ちに更新申請を行う必要はありません。

ただし、今後は更新審査を前提とした事業運営が求められるため、

・安全管理体制

・労務管理体制

・社会保険加入状況

・法令遵守状況

・財務状況

などを日頃から適切に管理することが重要になります。

「まだ始まっていないから関係ない」ではなく、

「始まる前に準備する時代に入った」

と考えることが大切です。


トラック適正化二法とは?

2025年6月11日に公布されたトラック適正化二法は、深刻化するドライバー不足や物流2024年問題への対応を目的として制定されました。

政府は2030年には輸送能力が約34%不足すると予測しており、持続可能な物流体制の構築が急務となっています。

今回の改正は単なる許可更新制ではなく、

「安い運賃で走らせる業界」から

「適正な運賃で安全に運ぶ業界」へ

転換するための大改革といえます。


今回の改正で何が変わったのか?

① 5年更新制の導入

これまで一度取得すれば更新不要だった許可が、5年ごとの更新制になります。

更新を受けなければ許可は失効します。


② 適正原価制度の創設

従来の「標準的運賃」に代わり、「適正原価」が導入されます。

人件費や安全対策費用を適切に反映した運賃設定が求められます。

荷主や元請事業者にも責任が課されます。


③ 多重下請け規制

再委託は二次請けまでを目標とする仕組みが導入されます。

中抜き構造の是正が目的です。


④ 実運送体制管理簿の義務化

1.5トン以上の貨物について、

・誰が運んだのか

・何次請けなのか

を記録し保存する必要があります。


⑤ 白トラ規制強化

無許可事業者への委託は禁止されます。

違反した荷主等にも責任が及ぶことになります。


⑥ ドライバー処遇改善

法律の目的に、

「労働環境の適正な整備」

が明記されました。

適正な賃金や社会保険加入など、労働者の処遇改善が求められます。


5年更新制の詳細

いつから始まる?

法律は2025年6月11日に公布されました。

しかし、

5年更新制はまだ施行されていません。

公布から3年以内に施行される予定です。

また、既存事業者については、2027年頃から順次更新申請・審査が始まり、5年程度をかけて一巡するとされています。


更新時に確認される可能性が高い事項

・輸送の安全確保

・法令遵守状況

・社会保険加入状況

・適正原価の収受状況

・ドライバーの処遇

・財務状況

・行政処分歴

など


更新できない可能性があるケース

・重大な法令違反

・悪質な行政処分の繰り返し

・安全管理体制の不備

・社会保険未加入

・著しい経営不良

などが想定されています。


今回の改正で運送会社に求められること

今後は

「許可を取ったら終わり」

ではなく、

「許可を維持するためのコンプライアンス経営」

が求められます。

特に重要となるのは、

・点呼記録簿

・運転者台帳

・事故記録

・適性診断記録

・健康診断記録

・社会保険加入

・賃金制度

・巡回指導対策

・実運送体制管理簿

などの日常的な管理です。


今回の改正で荷主にも求められること

今回の法改正は運送事業者だけを対象としたものではありません。

物流の持続可能性を確保するため、荷主や元請事業者にも新たな責任が求められるようになります。

① 適正原価を下回る運賃を強要しない

新たに導入される「適正原価」は、ドライバーの賃金、安全対策費用、燃料費、車両維持費などを反映した運送原価です。

荷主は、継続的に適正原価を下回る運賃での運送を求めないよう配慮しなければなりません。

安すぎる運賃は結果として、

・ドライバー不足

・長時間労働

・安全性低下

につながるためです。


② 白トラを利用しない

無許可営業を行う「白トラ」への委託は禁止されます。

今後は運送会社だけでなく、白トラを利用した荷主にも責任が問われる可能性があります。

違反した場合は100万円以下の罰金が科されることがあります。


③ 実際に運ぶ事業者を把握する

多重下請け構造の是正が進められます。

荷主においても、

「契約した会社が実際に運んでいるのか」

「何次請けになっているのか」

を把握することが重要になります。


④ ドライバーの待機時間削減に協力する

物流2024年問題では、長時間の荷待ち時間が大きな課題となっています。

荷主には、

・荷役時間の短縮

・予約受付システムの活用

・積込・荷卸し体制の改善

などへの協力が期待されています。


⑤ 物流を支えるパートナーとして考える

今回の改正の目的は、運送会社を取り締まることだけではありません。

荷主と運送会社が適正な取引を行い、

・安全な輸送

・適正な運賃

・ドライバーの処遇改善

を実現することにあります。

これからは、

「安く運んでくれる会社を探す時代」

から

「適正な対価で安全に運んでくれるパートナーを選ぶ時代」

へ変わっていくでしょう。


まとめ

今回のトラック適正化二法は、運送業界にとって70年ぶりともいえる大改革です。

5年更新制の導入だけでなく、

・適正原価制度

・白トラ規制強化

・多重下請け規制

・ドライバー処遇改善

など、運送事業者に求められる責任は大きく変わります。

これからは、

「許可取得」から「許可維持」の時代へ。

将来の更新審査に備え、今からコンプライアンス体制を整備していくことが重要です。


よくある質問(Q&A)

Q1. 運送業許可の5年更新制はもう始まっていますか?

A. いいえ。2025年6月11日に法律が公布されましたが、5年更新制はまだ施行されていません。公布から3年以内に施行される予定です。


Q2. 現在許可を持っている運送会社も更新が必要ですか?

A. 必要になる予定です。既存事業者についても順次更新申請・審査が行われる見込みです。


Q3. 更新できなかった場合はどうなりますか?

A. 更新を受けられなければ許可は失効し、一般貨物自動車運送事業を継続できなくなる可能性があります。


Q4. 更新審査では何が確認されますか?

A. 詳細は今後の省令等で定められますが、

・安全管理体制

・法令遵守状況

・社会保険加入状況

・労務管理状況

・適正原価の収受状況

・財務状況

などが確認されると考えられています。


Q5. 新規許可の取得要件も厳しくなりますか?

A. 現時点では営業所・車庫・車両・資金要件などの基本要件は大きく変わっていません。ただし、今後は法令遵守やコンプライアンス体制がこれまで以上に重視される方向です。


Q6. 今から何を準備しておけばよいですか?

A. 更新制が始まる前に、

・点呼記録簿の整備

・運転者台帳の整備

・適性診断の実施

・健康診断記録の保管

・社会保険加入状況の確認

・巡回指導対策

・実運送体制管理簿への対応準備

を進めておくことをおすすめします。

「更新が始まってから対応する」のではなく、

「更新が始まる前から整備しておく」

ことが重要です。


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