日本版DBS(こども性犯罪防止法)における「性犯罪」「性暴力」と「不適切な行為」とは?

日本版DBS(こども性暴力防止法)において、「性犯罪」と「性暴力」は、それぞれ**「特定性犯罪」および「児童対象性暴力等」**として法律上厳密に定義されています。
大きな違いは、「特定性犯罪」が過去の刑罰歴(犯罪事実確認の対象)「児童対象性暴力等」は事業者が現場で防止・対処すべき「行為」そのものを指し、犯罪に該当しないものまで幅広く含まれる点にあります。
以下にそれぞれの定義と詳細を整理します。
1. 「性犯罪(特定性犯罪)」の定義
「特定性犯罪」とは、事業者がこども家庭庁を通じて刑罰歴(前科)の有無を確認する(DBS照会)対象となる犯罪の類型です。
- 対象となる法律と罪種:
- 刑法: 不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ・性交等、不同意わいせつ等致死傷、16歳未満の者に対する面会要求等(性的グルーミング)、強盗・不同意性交等。
- 児童福祉法: 児童に淫行をさせる罪。
- 児童ポルノ法: 児童買春、児童買春の周旋・勧誘、児童ポルノの所持・提供、児童買春等目的の人身売買。
- 性的姿態撮影等処罰法: 性的姿態等の撮影(撮影罪)、影像記録の提供・保管・送信。
- 都道府県条例: 迷惑防止条例(痴漢、盗撮、卑わいな言動など)や青少年健全育成条例(淫行など)。
- 重要な特徴:
- 未遂罪も含まれます。
- 被害者が大人(成人)である場合の犯罪歴も確認の対象となります。
- 照会対象となるのは、拘禁刑(実刑)終了から20年以内、執行猶予中または終了から10年以内、罰金刑終了から10年以内の前科です。
2. 「性暴力(児童対象性暴力等)」の定義
「児童対象性暴力等」とは、事業者が安全確保措置として未然に防止し、発生した疑いがある場合には調査・対処しなければならない行為を指します。既存の「教員性暴力等防止法」の定義をベースに、高専生や専修学生(高等課程)への行為も含むよう拡張されています。
最大の特徴は、「刑法上の犯罪に該当しない行為」も含まれるという点です。具体的には以下の5つに分類されます。
- 性交等: 児童等への性交や性交類似行為。
- わいせつな行為: 身体への接触を伴うわいせつな行為(自身の性的部位を触らせる等も含む)。
- わいせつ目的の要求・児童ポルノ関連: わいせつ目的での面会要求、自撮り画像の要求、児童買春、性的姿態の撮影など。
- 羞恥心・不安を覚えさせる身体接触や撮影: 水着で隠れる部位(プライベートゾーン)等への不必要な接触、衣服の下の盗撮など。
- ※教育・保育上の正当な業務(介助、着替えの支援等)は、必要な範囲・態様であれば対象外です。
- 性的羞恥心を害する言動: 児童を不快にさせる性的な言動や悪質なセクシュアル・ハラスメント。
3. 性暴力へのエスカレーションを防ぐ「不適切な行為」
日本版DBSでは、性暴力そのものに至らない**「不適切な行為」**についても、性暴力の「芽」を摘むための防御網として定義しています。
- 定義: 行為自体は直ちに「性暴力」には該当しないものの、業務上の必要性が認められず、継続・発展することで性暴力につながる恐れがある行為(性的グルーミング等)を指します。
- 具体例: こどもとの私的なSNSのやり取り、不必要な密室での二人きりの状態、特定の児童への金品提供や特別扱い、不必要な身体接触など。
- 重大な不適切な行為: 執拗に繰り返される場合や、こども・保護者の意に反することを知りながら行われる場合は「重大」と判断され、性暴力が行われた場合と同様の防止措置(業務からの排除)がとられます。
まとめると、日本版DBSは、過去の深刻な「性犯罪」歴をシステムでチェックすると同時に、現場では**「犯罪ではないが有害な言動(性暴力)」や「その予兆(不適切な行為)」**をも網羅的に規制することで、こどもの安全を守る重層的な仕組みとなっています
4,まとめ こどもの安全は最大の「投資」です
性暴力事案が発生した施設では、職員の一斉退職・休園・損害賠償訴訟・社会的信用の失墜といった、法人の存立を揺るがす深刻なダメージが生じます。
こどもを守ることは、単なる「コスト」ではありません。施設の信頼とブランドを守る、最大級の投資です。
日本版DBS対応は、制度上の義務を果たすだけでなく、「安心して預けられる施設」として選ばれ続けるための経営戦略でもあります。
日本版DBS対応について、まずはご相談ください
ラクーンドッグ行政書士事務所では、日本版DBS対応支援を行っています。就業制限の確認フロー整備、規程作成、職員研修のサポートまで、事業者様の状況に合わせてご提案します。
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