データーから見る
後見制度②
(令和7年1月~12月)
①に引き続き、昨年の「後見制度」の現状を最高裁事務総局の資料から見ていきましょう。

※なお、令和6年のデーターについては,ブログ「タヌキのひとりごと」エンディング活動特集「後見制度の利用状況について①~③」でご確認いただけます。あわせてご覧下さい。
5,成年後見人等と「本人」との関係
成年後見人等と親族との関係をみると、親族が成年後見人に選任されたケースは全体の約16、4%(7,014件)に対して、親族以外が選任されたケースが約83.6%(35,718件)。
親族以外の第3者が選任される傾向が続いています。
なお、親族が成年後見人の候補者として各開始申立書に記載された事件の割合は約19.7%。
注目すべきは、親族が成年後見人に必ずしも選任されていないことです。
親族が選任された場合の主な内訳は
・本人の子 約52.0%(3,647件) ・兄弟姉妹 約18.9%(1.053件)
・その他親族 約18.9%(1,329件) ・配偶者 約 7.5%( 523件)
・親 約 6.6%( 462件)
などと、なっております。本人の子がいない場合、甥や姪の方が選任されるといった事例も
増えてきていることがうかがえます。
では、親族以外はどうか見てみると
・弁護士 約24.9%(8,903件) ・司法書士 約33.5%(11,966件)
・社会福祉士 約20.4%(7,280件) ・その他法人 約 8.2%( 2,933件)
・社会福祉協議会 約 4.5%(1.615件)
など、となっており、ちなみに、行政書士は、約6.3%(2,235件)でした。
弁護士・司法書士・社会福祉士の3士業で8割近くを占めており、2000年からはじまった
市民後見人(約1.1% 390件)等は、その専門性や負担が強いからか、まだまた活用が
されていないようです。
6,成年後見制度の利用状況
令和7年12月末の状況では、成年後見制度(成年後見・保佐・補助・任意後見)の利用者数は
259,901人(前年253,941人)で対前年比約2.3%の増加となりました。ここ5年間の
数値を見ていると増加傾向にあると言えます。
内訳をみていくと
・成年後見 180,828人(対前年比約0.8%増)
・保佐 58,162人(対前年比約5.9%増)
・補助 18,078人(対前年比約7.2%増)
・任意後見 2,833人(対前年比約1.4%増)
と、いずれも増加傾向にあります。
ただ、潜在的な需要なあるものの、任意後見制度の活用がまだまだ低く
認知度の向上や、いろんな契約と組み合わせての活用方法の提案が必要かと
考えられます。
7,後見人による「不正事件」
昨年も何度か後見に関わる不正事件のニュースが流れましたが・・
令和7年1年間に(注:不正行為そのものがその年に行われたものではなく)
一連の対応を終えた不正事例について
・件数 178件 ・被害額 約7億9000万円
と、昨年(令和6年 188件)より、件数は若干減少しております(被害額は、ほぼ同じ)
ただ、直近過去5年間を見ると、だいたい169~200件弱で推移しており、
やはり一定数の事件が発生していろことは否めません。
ちなみに、専門職による不正は26件(全体の約15%) 約1億6000万円。
どちらもあってはならないことですが、親族による不正が実に全体の約85%を
占めており、親族は選任される割合は低いが、不正の件数や被害額においては高い割合を
占めていることが読み取れます。
専門職においても、割合が低いからいいというわけではなく、当然のことながら
不正0件でなければならない。のではないでしょうか。
7,新しい「後見」制度について
今まで制度そのものが複雑すぎて利用しづらい等の問題や、また国際的な要請も受けたことも相まって、社会福祉法と連動して後見制度見直しの議論が進んでいます。
最期まで自分らしく生き抜くための「権利を支えるインフラ」へと進化しようする後見制度。
今後の動静に注目です。
※なお、後見制度見直しにおける具体的な内容については
弊所HP「タヌキのひとりごと エンディング活動特集」
「一生終わらない」はもう古くなる?これからの「後見」「終活」のあり方について
一緒に考えてみましょう①・②
を、ぜひごらんください。