えっ？！意外と知っているようで知らない「法定相続人」の範囲と割合って？？「法定相続人」について改めて確認してみましょう②
「遺言」「相続」の際に必ず出てくるのが「法定相続人」。どこまでの親族が法律で対象なのか、また配分についてどの場合がいくらになるのか？知っているようで知らない「法定相続人」について具体例をもとに奈良の行政書士が解説していきます。
まずは、前回①のおさらいから。基本的な法定相続人とその割合について確認してみましょう。
| j順位 | 法定相続人 | 配偶者がいる場合の割合 | 配偶者がいない場合の割合 |
|---|---|---|---|
| 常に相続人 | 配偶者 | 下位順位が誰もいない場合100% | (なし） |
| 第１順位 | 直系卑属（子⇒代襲相続の孫など） | 配偶者1/2、子・孫など1/2÷人数分 | 直系卑属１００%÷人数分 |
| 第２順位 | 直系尊属（父母⇒父母がどちらもいない場合は祖父母など） | 配偶者2/3、父母（両方いない場合は祖父母）1/3÷人数分 | 父母（両方いない場合は祖父母）１００％÷人数分 |
| 第３順位 | 兄弟姉妹の血族（おじ・おば⇒代襲相続のおい・めい） | 配偶者3/4、兄弟姉妹の血族1/4÷人数分 | 兄弟姉妹の血族１００％÷人数分 |
| 上記がすべていない場合 | 国庫に帰属 |
覚えて頂いていましたでしょうか？
では、上の表をもとに、亡くなられた方の親族関係を何例か想定して考えていきましょう。
①亡くなられた方の親族が
・配偶者 ・配偶者との間にできた実子（2名）・おとうさん（おかあさんはすでに他界）のみ
の場合。
⇒この場合は、配偶者の方と第１順位の実子が２名おられるため、配偶者1/2、残り1/2を実子2名で
人数割り（実子1人あたりは総額の1/4）となります。おとうさんはなし。
②亡くなられた方の親族が
・配偶者 ・配偶者との間にできた実子2名のうち1名は他界しその息子（亡くなられた方の孫）
1名、もう一人は存命のみの場合
⇒この場合は、配偶者に1/2、実子2名のうち存命している1名と、他界した1名の息子
（亡くなられた方の「孫」になります）が残り1/2を人数（存命の実子1名と「孫」）で
割ることになります。※これを「代襲相続」といいます。
③亡くなられた方の親族が
・配偶者（子供はなし）・実のおとうさん ・亡くなられた方の実のお兄さん のみの場合
⇒この場合は、配偶者に2/3、実のおとうさんに1/3となり、お兄さんにはなし。
④亡くなられた方の親族が
・配偶者はすでに他界 ・配偶者との間にできた実子2名 ・亡くなられた方が以前離婚しており
その婚姻関係の時に前妻との間にできた実子1名 のみの場合
⇒ 配偶者がすでに他界している為、総額１００％を実子で人数割り
前婚の時の実子も、もれなく対象になります。なので3名で割ることになります。
⑤亡くなられた方の親族が
・配偶者（子供はなし）・前婚の配偶者とその間にできた実子1名
・亡くなられた方の弟さん１名 のみの場合
⇒この場合は、現在の配偶者の方1/2と、前婚の配偶者との間に生まれた実子1名が1/2となり
前婚の配偶者と亡くなられた方の弟さんは、なし。
⑦亡くなられた方の親族が
・配偶者（子供はなし）・両親、祖父母は他界 ・亡くなられた方のお姉さん（存命）と
弟さん（すでに他界）の息子さん のみの場合
⇒この場合は、配偶者が3/4。残り1/4を亡くなられた方の兄弟で人数割り。
お姉さんと、弟さんがすでに他界されているため、その息子さんが代襲相続することに
なります。
⑧亡くなられた方の親族が
・「事実婚」の配偶者（婚姻届は出さず、亡くなられた方との間に子供はなし）
・離婚した前婚の配偶者とその間にできた実子1名 のみの場合
⇒この場合、「事実婚」の配偶者は「法定相続人」とはならず、また前婚の配偶者も対象には
なりません。前婚の配偶者との間にできた実子1名が「法定相続人」となります。
8パターンの例をご紹介いたしましたが、親族関係・・「法定相続人」は思わぬところでまったく
会ったこともない方が、いきなり出てくることがよくあります。
これらを調べるには、そう「戸籍」が必要。以前「戸籍」について書かして頂きましたが、
かなり時間と労力、そして読み解くのに時間がかかる作業になります。
（戸籍については「タヌキのひとりごと」相続特集 「えっ？戸籍って実はひとつではない」を
ご覧ください）
これらの作業・・私たち行政書士がお手伝いします。お声がけ下さいね。
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