えっ？！意外と知っているようで知らない「法定相続人」の範囲と割合って？？
「法定相続人」について改めて確認してみましょう①
「遺言」「相続」の際に必ず出てくるのが「法定相続人」。どこまでの親族が法律で対象なのか、また配分についてどの場合がいくらになるのか？知っているようで知らない「法定相続人」について奈良の行政書士が解説していきます。
遺言・相続など「終活」の際に必ずでてくるのが「法定相続人」。よく「相続人」と同じ意味で使われたりしますが、厳密には違いがあり、
・「相続人」・・・・亡くなられた方の遺産を「実際に相続する人」
・「法定相続人」・・亡くなられた方の遺産を亡くなられた時点で「相続する権利を持つ人」
となります。すなわち「相続放棄」した方や「遺言」で他の方に財産が「遺贈」され相続しなかった場合、等は
「相続人」にはなりません。
それらを踏まえて今回は「法定相続人」について見ていきましょう。
１，基本となる「法定相続人」の範囲と割合について
| j順位 | 法定相続人 | 配偶者がいる場合の割合 | 配偶者がいない場合の割合 |
|---|---|---|---|
| 常に相続人 | 配偶者 | 下位順位が誰もいない場合100% | (なし） |
| 第１順位 | 直系卑属（子⇒代襲相続の孫など） | 配偶者1/2、子・孫など1/2÷人数分 | 直系卑属１００%÷人数分 |
| 第２順位 | 直系尊属（父母⇒父母がどちらもいない場合は祖父母など） | 配偶者2/3、父母（両方いない場合は祖父母）1/3÷人数分 | 父母（両方いない場合は祖父母）１００％÷人数分 |
| 第３順位 | 兄弟姉妹の血族（おじ・おば⇒代襲相続のおい・めい） | 配偶者3/4、兄弟姉妹の血族1/4÷人数分 | 兄弟姉妹の血族１００％÷人数分 |
| 上記がすべていない場合 | 国庫に帰属 |
・ここでいう配偶者は戸籍上「婚姻」している状態の方をいい、事実婚の場合は含まれません。
また、「離婚」して、籍が抜けた場合も同じく含まれません。
但し、「別居」していても戸籍上「婚姻」関係が継続している場合は法定相続人になります。
・第1順位の「子」は、実子以外に、前妻の子であっても亡くなった方との間で生まれた子や、婚姻関係は
なくても亡くなった方が認知した子、また亡くなった方と養子縁組が成立して継続している子も法定相続人
になります。
但し、前妻の「連れ子」で、亡くなった方と養子縁組をして「いなかった」場合は、法定相続人になりません。
法定相続人の「子」が先に亡くなっていた場合は、その「子（亡くなった方の孫）」が法定相続人に
なります。（代襲相続といいます）
※養子縁組の場合は養子縁組する「前」に生まれた子は代襲相続できません。
・第2順位の「父母」の両方または片方が存命の場合は、「祖父母」は法定相続人になりません。
・第3順位の「兄弟姉妹」で片方の親が異なる場合（半血兄弟といいます）は両方とも親が一緒の兄弟
（全血兄弟）の1/2の割合になります。
意外と知っているようで知らない「法定相続人」の範囲と割合。ご覧いただいたように
結構複雑になっています。
次回②では、具体例をもとにそれぞれのケースを見ていきたいと思います。
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