「後見制度」の利用状況について②~最高裁事務総局資料から~
今日は、前回に引き続き、「後見制度」の利用状況について、具体的な数字を追ってみることに。
令和6年1年間における申立件数ですが、全体で41,841件
(対前年比約2.2%増)。
そのうち後見開始の審判申立件数は、28,785件。
任意後見監督人選任申立件数は874件。
保佐開始・補助開始も含めて圧倒的に「法定後見制度」での申立が多いのが現状で、任意後見制度の活用はまだまたと言えるでしょう。
また、申立から終局まで(認容・却下等何かしらの判断が出るまで)の期間が、1か月以内が38.4%、1~2か月以内が33.6%。申立から終局まで4か月以内が約93.8%となっており、申立後、やはり少し時間がかかることが見て取れます。

申立者と本人との関係ですが、終局した事件合計(41,260件)のうち、本人が9,786件23.5%。親族からが20,525件49.2%。それ以外で多いのは、実は市区町村長からの申立で、9,980件と23.9%を占めております。
申立の原因はやはり「認知症」で全体の61.9%。申立の動機としては「預貯金の管理・解約」がトップになるようです。
令和6年12月末において、成年後見制度の利用者総数は253,941名。うち任意後見制度の利用者は2,795名。差し引き251,146名は法定後見制度(後見・保佐・補助)を利用していることに。
任意後見制度は法定後見制度とは違い、自分で「後見人」を選べる利点はあるのですが、制度自身の認知度が低い、費用が高額になりがち、制度が複雑、心理的に元気なうちに契約するのはちょっと・・等のデメリットで敬遠されがちのようです。
でも、できる限り「士業」が皆様のサポートを致します。
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次回は後見制度に関する「不正事件」について数字でみていきます。